活動、今回のプログラムについて

はじめまして!正指揮者の杉野政仁です。UABの練習が本格化して来た中で,拙筆ながら所感を述べさせていただきます。

~活動にあたって~
 代表の小野寺君から昨年秋,「音楽の質を大事にする吹奏楽団を作りたい。指揮をお願いできないか」という旨の連絡を受けてから今まで,人集めから練習場所の確保に至るまで怒涛の沿革をたどってきた当団ですが,今なおこのバンドを指揮させていただく重責に身が引き締まります。

 本邦では「吹奏楽部」が学校に定着していますし,ここ数年テレビやアニメなどで,吹奏楽コンクールがクローズアップされることも増えてきたように思います。アマチュアの吹奏楽団も増え,吹奏楽を演奏するイベントも多いと感じます。
 さらには学生や私たち若者を中心としたアマチュアのオーケストラやアンサンブル団体が爆発的に増えており,オーケストラと吹奏楽,室内楽(アンサンブル)を幅広く経験している仲間が非常に多く増えてきていることも強く実感しました。

 ぜひ,そうしたメンバーが集まるUABでは「吹奏楽」が持つ魅力や表現力にさらに焦点をあてて,吹奏楽の持つ音楽性とは何なのかを少しでも感じ取り楽しむ活動を行い楽しめればと思います。そして,多種多様なバックグラウンドからなるメンバーが集まるからこそ,音楽を通して会話し,多様なアプローチを大切にする活動ができればとも思います。

 早速練習が本格化し,細かなアンサンブルを整えながら,各人の持つアプローチをすりあわせて方向性を一つにする作業に向かえればと思っています。メンバー同士も少しずつ交流が生まれ,練習後の食事会も非常に楽しい雰囲気でうれしいです♪ 私も指揮や音楽を専門的に学び始めた身ではありますが,メンバーからいろいろなことを吸収しながら成長していきたいと思います。

~今回のプログラム~
 今回のプログラムは「歴史―平成から令和へ―」というテーマですが,選曲のラインナップを受けてびっくり…《宇宙の音楽》に30分超えのシンフォニー《アークエンジェルズ》がメインとは…当初は驚きましたが,このプログラムにはいくつもテーマが隠されているなと強く感じました。

 隠れたテーマの一つが「旋法」。
 《天国の島》はf mollの自然的短音階と民謡・都節の日本音階が入り混じる作品,《宇宙の音楽》はピタゴラス音律(さらにそれを用いた和音設計が独特の空間を醸し出す!),《アークエンジェルズ》はドリア旋法に始まり様々な教会旋法が入り乱れる作品… それぞれの作品が独特のキャラクターを持っている要因ともなっていると思います。

 また,この演奏会では《ふるさと/嵐》と《Song for Japan》を演奏します。《ふるさと》は2010年に作曲されてから幾度も日本を襲った災害において,全国の被災された方々の心を癒してきた名曲です。《Song for Japan》はベルギーの作曲家・フェルヘルストによって書かれた曲で,東日本大震災で犠牲になった方々,そして日本に捧げる歌として楽譜が無料公開され,世界中の音楽愛好家によって演奏されて,一大ムーブメントを巻き起こしました。

 そして,それぞれのプログラムが「歴史」を,そして未来をどう描くのか,今後の曲紹介のお楽しみ,ということで筆をおきたいと思います。